製造蔵リスト

北前船で栄えた新潟市

創業は江戸時代の明和、1767年に初代但馬屋平吉(十左ェ門)が、新潟市において酒の商いを開始。当初は酒の卸し業や旅館業、飲食業していました。酒造りに本格参入したのは明治中期。越後・新発田藩の米蔵があった場所の隣接地に酒蔵を建て、本格的に酒造りを始めたとのこと。 江戸時代から明治初期の新潟は、北前船が頻繁に寄港していたため、人口が江戸より多かったといわれるほど大変繁栄していたそうで、今代司も繁盛していたようです。北前船で酒を北海道へ出荷。帰りは北海道の野菜を酒樽に漬けて戻って来たとか。またそれが新潟でよく売れたそうです。

「責めきらない」酒造り

今代司で使う米は、雑味の少ないきれいなお酒を造りたいという理由から、全て酒米を100%使用。最近は新潟市内の農家と提携し、地場のものの使用比率を高めています。水は菅名岳まで自然水を汲みに行ってます。また今代司では、醪(もろみ)を絞り切らないことで、雑味の少ないお酒を作っています。荒走り、中垂れのあとの「責め」はゆるやかに行います。なので、今代司の酒粕はとてもみずみずしいとのこと。また、全てのお酒が低温・長期発酵の吟醸造り。きれいなお酒を造る為の要諦です。

※荒走りとは醪を圧搾濾過して、清酒と清酒粕に分離する操作で最初に出るうす濁りの酒を言う。荒走り後責め(せめ)より前に出る酒を中垂れ(なかだれ)という。その後、さらに絞って作ることを責めという。

「食事とともにある酒」を目指す

田中社長「これは杜氏の考え方なのですが、お酒は料理をより楽しくするもので、あくまでも主役は料理。料理の邪魔をしない、香りは強過ぎず、穏やかで味わい的には米の旨さがしっかり出ていて、料理の味をさらに膨らませる。けれどもあとに残らず、すっきりとした後味。そういった酒造りを目指しています。香りが強く甘いお酒が増えている、今の流行りからは逸れているかもしれませんが…。」

純米酒で世界と勝負

戦前は純米酒しか造らなかった今代司も、市場に合わせて、アルコールや添加物を加えた日本酒を造るようになりました。ですが、若者や女性はそのような日本酒を敬遠するようになり消費量は伸びず、大手酒造メーカーはともかく、地方の酒蔵の経営はどんどん苦しくなっていったそうです。その中で「昔の酒蔵が作っていた、何も添加しない、本物の酒、純米酒だけを作っていこう。自分が心底美味いと思える酒だけを作っていこう。」と、先を見据えて「純米酒のみ」に切り替えられたそうです。

また、アルコールが添加されてしまうと、世界の市場ではリキュールとして見なされてしまう為、ワインと互角に勝負出来ないとのこと。身体に悪いわけでもなく、安く美味しく飲めるので、醸造アルコール添加は悪いことではないですが、世界に出て行くには純米でやっていかないと厳しいと語られる田中社長。これが今代司酒造が純米にこだわる理由なのです。

所在地 新潟県新潟市中央区鏡が岡1番1号
TEL 025-244-3010
FAX 025-245-3233
代表者 田中洋介
営業時間 午前9時~午後5時
定休日 年中無休(年末年始除く)
自社WEBサイト http://www.imayotsukasa.com/
販売商品 純米酒
店舗での商品購入 可能
蔵見学 可能(http://www.imayotsukasa.com/tour.html)
PAGETOP