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伝統の「和釜」を使い、家族一丸となって味噌作り

越後大吉味噌の糀部門で働いていた団四郎6代目・定三さんが、今や団四郎味噌の売りである「和釜」を60歳で購入し、昭和7年に独立。農業と兼業で糀屋を始めます。のちに味噌作りもするようになり、現在は三代目の藤井喜代志さんを中心に家族で経営。娘の康代さんも糀屋団四郎4代目として修行中。家族一丸となって味噌作りを行っています。

小さな味噌蔵だからこそ出来る、手間暇かけた味噌づくり

団四郎味噌では、創業から受け継がれた和釜にて大豆を煮ます。和釜を使う蔵は最近では珍しくなりましたが、長い歳月の間煮続けた大豆の脂分が鉄の地肌に染み込んで重厚感たっぷりの風格はこの蔵のシンボルとも言える代物です。大豆を3時間ほど煮込んだ後、蒸した状態のままで一昼夜置きます。大量生産のできない和釜による「止め釜製法」によって大豆に旨味が戻り、均等に煮上がります。時間と手間がかかるため、量産には向かない方法ですが、この方法ならではの団四郎独特のやわらかい味噌が出来上がります。

すべて無添加!材料も国産や県内産にこだわる

団四郎の味噌に使う大豆と米は全量国産。国内産大豆は味噌用原料大豆として最高の品質のものであり、炭水化物含量が多く、吸水性もよく、均等に煮あがります。金印は中でも品質の高い北海道産トヨマサリ。銀印は新潟県産エンレイ。お米は団四郎の蔵の前に広がる田んぼからとれるコシヒカリと、糀用に適しているといわれるコシイブキを使用しているとか。また糀作りには米の状態が大切なため、平成24年には低温貯蔵庫を完備したそうです。そして糀作りに最適な枯らし具合にして糀を作っていらっしゃいます。よい糀を作ることにより美味しい味噌、甘酒に仕上がります。

団四郎味噌では蔵に住み着く酵母によって味噌を発酵させているそうです。蔵付酵母は団四郎オリジナル酵母ですので、唯一の味、独特の風味を醸しだしてくれるとのこと。また現在、味噌の製法は速醸方式と天然醸造方式の2つの方法があります。速醸方式は味噌を仕込む時に市販の酵母を添加し、暖かい部屋に入れて、1か月程でお味噌を仕上げていきます。団四郎味噌では、蔵付酵母によって、天然醸造方式、1年、3年、20年とゆっくりと時間をかけて発酵させています。

この二十年味噌は、今から二十数年前に最高の米と大豆が手に入ったことからはじまりました。団四郎味噌ではこの味噌を丁寧に、丁寧に手入れをしてきました。五年、八年、十年と経つにつれ味噌は褐色し、独特の芳醇な香りと味を醸し、漆黒に輝く味噌に仕上がってきました。こうして出来上がった味噌が「二十年味噌」です。初めから意図的に作ったものではなく、偶然に出来上がったものでもあります。あなたとあなたの大切な方との二十年間を思い出しながら、二十年味噌の奥深さを味わってみててはいかがでしょうか。(写真左)

鉄火味噌は、根菜をみじん切りしたものに、二十年味噌のコクと香りを加えて、胡麻油で8時間じっくりと炒ったおかず味噌。生姜と白胡麻も加わって、少量でも様々な味わいが広がります。(写真右)

家族の絆を大切に

一家で味噌作りをしてきた団四郎味噌。ひとつひとつの作業を捗らせるためには、何よりチームワークが大切とのこと。お互いが気持ちよく作業が出来るように、お互いを気遣い合い、支え合いながら、手間暇かかる味噌づくりを行っています。年二回の仕込み時期には、近隣に嫁いだ娘さんも、まかない作りに来てくれるとのこと。団四郎味噌は、味噌作りで家族の絆を深め、またいい味噌作りのために家族の団結を結ぶ…そんな素敵なご一家でした。

所在地 新潟県新潟市南区新飯田1607
TEL 025-374-2611
FAX 025-374-2240
代表者 藤井喜代志
営業時間 午前 8時30分 ~午後5時30分
定休日 土曜日午後、日曜・祝日
自社WEBサイト http://www.dansirou.com/
販売商品 味噌・塩糀・甘酒
店舗での商品購入 可能
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