製造蔵リスト

「醸造学」という本一冊からスタートした三代目

明治38年創業の「いいお味噌」を造るために「いい麹(糀・こうじ)つくり」に全力を尽くされている片山商店。 三代目・片山社長は、全国で304名、新潟県においてはわずか18名しか合格者がいない、 いわばお米のソムリエの様な「五つ星お米マイスター」の資格を持つお米のプロ。
片山社長「正直私はド素人だったんです。大学を卒業し横浜で勤めていたんですが、父が倒れ、さらに数年後母も倒れ、それで帰って来てからこの世界に入りました。糀の作り方も何もわからない状態でしたので、まず大学で使う「醸造学」という本を一冊買い、わからない事があれば加茂にある食品研究所に行き猛勉強しました。ベテランの社員や妻と苦労を共にし、先代からの味を守ってきました。その中でたどり着いたことは、味噌にしろ甘酒にしろ発酵食品は「糀がすべて」だということです。どれだけいい糀が作れるかっていうこと、この一言に全てがあります。」

環境、材料、丁寧な仕事・・・これがいい糀を作る条件

日本で一社しかない糀室専門の大工さんに、普通は酒蔵にしかない杉板を使用した室を作ってもらい、いい糀を作ることが出来る環境を整えました。 糀室の素材として最適な杉板は、湿度調節や結露防止に優れた呼吸作用があります。また、杉板の本格的な糀室を造る味噌蔵は珍しいそうです。 次はいい原料ですが、片山商店では、契約農家から丹精籠めて育てて頂いた「新潟県産こしひかり」を100%使用しています。 米の小売もしているので、自分で精米して自分で原料米を仕上げ、精米したてのフレッシュな材料を作ります。 糀が上手く繁殖出来る環境を作るためには、常に清潔にしなければいけません。室は杉板なので雑菌も繁殖しやすいため、部屋の床から天井まで週に一回全て大掃除をします。

また使う道具や人の手もしっかり消毒を行い、清潔さに気を使っています。 このように環境、材料、丁寧な仕事…これがいい糀を作る条件です。
これが揃わないといい糀は出来ません。とくに甘酒などは糀の質がそのまま出てくるので、本当に糀の質が大切。 一つ一つのことをきっちりしてあげれば、あとは糀がちゃんと作ってくれるので、人の手のかかる部分というのは割と少ない。 糀がちゃんと働くには、繰り返しますが「キレイな環境」
これが一番大事。いい糀はいい香りがします。

手間暇かかる「こもかけ製法」にこだわります

糀造りには温度と湿度の調節がとても重要です。特に後半は品温が40℃を超えより一層デリケートな調節が必要となってきます。 そのとき湿度の調節をうまくとってくれるのが稲わらで作った「こも」です。 片山商店ではその「こも」をスタッフが手づくりしています。 このこもは、熟練スタッフでも作り上げるのには30分の時間を要します。 稲わらを一本一本「馬の背」で編み上げる様はまさに昭和初期にタイムスリップしたようです。 この「こも」の掛け布団がないとキレイな麹に仕上がりません。片山商店はいつまでも「こも」にこだわります。 「こも」を編むときに使う稲わらも、こしひかりのわらが長く適しています。

女性にこそ糀を勧めたい、嬉しい糀の効果

糀の発酵食品には腸の働きを整える植物性乳酸菌等が含まれています。  また、各栄養素も酵素の力で体に優しく吸収しやすい形に分解されていますので、免疫力もアップし美肌効果も期待できるそうです。 片山社長「私たち含めスタッフ全員、毎日何かしら糀を口にしていますし、女性スタッフたちもお化粧していなくてもみんなキレイですしね。 お客様でも毎日甘酒を採るようにしていた方から「がさがさだった肌がすごくもっちりしてシミも薄くなったんです!」というご意見も頂きました。 薬事法に引っかかっちゃうから断言は出来ませんが。(笑)」 片山夫人「やっぱり体の中からキレイになると、肌もきれいになります。糀で腸内環境が改善されるせいもあります。 もともと日本人はヨーグルトなどの動物性の乳酸菌より、植物性の乳酸菌のほうが合うので…お味噌や糀などで採るほうが体質に合っているのです。 また、代謝もよくなります。当店の甘酒は米糀で作られているのでノンアルコールなんですが、代謝のよくない方が飲むとお腹のあたりや手先などがほんわり温かくなるんですよ。 代謝も上がれば免疫力も上がるので、風邪も引きにくくなりますね。」

糀は初代から作り始めていたのですが、先代である二代目が病に倒れてしまったため、引き継ぎらしいことは何もできなかったとのこと。 熟練のスタッフが残っていて全て教えて下さったおかげで、引き継ぐことが出来たそうです。その方は定年退職されましたが、 その後入社されたスタッフも長く、もう20年近く頑張ってくれているそうです。 片山夫人「女性スタッフが全部で5名、男性が1名、本当に皆、きれいな仕事をしてくれます。何も言わなくてもして欲しいことをすっとしてくれます。本当に人は財産、ですね。」 また、ご夫婦自身もお互いを信頼されていて、とても息のあったお二人。
片山商店の美味しさの秘訣のひとつは、チームワークの良さではないかと実感しました。

所在地 新潟県新潟市江南区袋津1-4-35
TEL 025-381-2423
FAX 025-381-3684
代表者 片山 喜弘
営業時間 午前9時~午後7時
定休日 日曜・祝日
自社WEBサイト 日曜・祝日
販売商品 糀(生糀・甘酒・塩糀)・味噌・米
店舗での商品購入 可能
蔵見学 不可
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