麹をつくる麹菌には3つの種類があります。それが黄麹菌と白麹菌と黒麹菌で、この3つにはいろいろな違いがあります。
まず清酒や味噌、醤油などをつくる麹が黄麹菌です。この黄麹菌はニホンコウジカビといいます。日本古来の麹菌で、黄土色から緑色に変色するカビになります。
特徴としてはデンプンを糖に分解する酵素が強くなっています。この黄麹菌とかなり性質が変わっているのが黒麹菌です。この黒麹菌はアワモリコウジカビといい、その名前の通りに沖縄の「泡盛」の醸造に使われているのがこの黒麹菌になります。
特徴としてはクエン酸をより多く生成するというものがあります。焼酎造りなどにもこの黒麹菌が多く使われています。この黄麹菌や黒麹菌の突然変異が実は白麹菌になってきます。
一般的に白麹菌と言われているのは黄麹菌の突然変異で、スーパーなどで売られていてよく見かけることがあるものになります。一方、<黒麹菌の突然変異である焼酎白麹菌はその名前の通りに焼酎造りに使われます。黒麹菌同様にクエン酸をより多く生成するという特徴がありますよ。
品質の優れた良い麹を作るには、当然のことながら手間と時間がかかります。温めては冷まして、人間の手で丁度良い温度にしながら混ぜて、また蒸して寝かす。このような過程を何度か繰り返すことで、良い麹というものが作られるのです。
例えば、表面が雪のように真っ白に輝き、麹を割ってみると中までも真っ白になっている。これは、良い麹と考えられます。品質の優れた麹は、味が違います。食品や人間の身体にもたらす効果も、違います。
では、そもそも麹とは何なのか。麹を生成するのが麹菌で、東洋にのみ生息している有用微生物です。デンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する性質を持ち、脂肪を分解吸収する働きも担っています。
このことから麹菌は、東洋微生物の王様とも称されています。そして、麹菌を米やぬか、麦、大豆などに生やして培養したものを麹と呼びます。食品の中で麹菌が発酵する際、他の有用微生物との相乗効果により甘味やうま味を引き出してくれます。
だからこそ、良い麹を使った食品は味が違うのです。そして、麹が担う体内での働きも違うのです。良い麹を日常生活の中で取り入れる習慣をつければ、代謝促進、体内のデトックス作用が効率的に行われることでしょう。