麹(糀)

2017.10.30

麹の歴史や発祥地

麹の歴史

kouji-rekishi-hahyouchi3

日本食に欠かせない醤油や味噌、みりん、お酒といった調味料は、麹が発行することで出来上がるものです。この麹ですが、古くは紀元前にはすでに使われていたんですよ。

日本で麹が初めて史書に出てくるのは8世紀の初めです。ちょうど奈良時代になります。この時代「播磨国風土記」という書物に「乾飯がぬれてカビが生えており、これで酒を造った」という記述があります。

この乾飯がぬれて生えたカビこそ、麹です。この酒が日本においては初めて麹を使った製品ということになっているというのが有力な説なんですよ。

さて、奈良時代から時代は進み、室町時代になってくると麹のカビの胞子だけを集めて麹として使いやすくした粉末状の「麹塵」が開発されて販売が開始されています。江戸時代になってくると一般の人も麹の恩恵を受けるようになってきます。そのもっともたるものが「甘麹」です。

kouji-rekishi-hahyouchi2

甘酒といった方がなじみが深いかもしれませんね。この甘麹、現代では冬の飲み物をいうイメージですが、実は江戸時代には夏バテ防止に夏に飲まれていました。

明治時代に入ると麹が一般的に販売され始めます。実はそれまでは「麹衆」という人たちが独占的に製造や販売をしていました。ずっと秘蔵のものとして扱われていたんです。2006年には日本醸造学会が麹菌を「国菌」に認定したんですよ。

麹発祥の地について

kouji-rekishi-hahyouchi1

麹というのはもともとカビの一種で、日本酒をはじめ味噌や醤油などさまざまなものを作り出すときに使われています。この麹、いったいどこで最初に見つけられたのでしょうか?

実はこの発祥の地についてはさまざまな説があるんです。麹自体はもともとカビの一種ですから発祥の地を探すのは大変困難なものです。また、麹と一言でいっても実は様々な種類があるんですよ。

その一つ、日本酒を醸造されるときに使われている麹は、播磨国風土記という史書に登場してくるのが日本における麹の起源と言われているため、日本においての麹の発祥の地はこの「播磨国」というのは今の日本でいうと山陽地方になります。

兵庫県姫路市が当時の国府があった場所になりますので、日本における麹の発祥の地というのは兵庫県付近と言えるのではないでしょうか。ただ、この発祥の地はあくまでも日本酒作りに使われている麹のお話です。

日本酒の醸造に使われている麹は日本が発祥ということですが、味噌や醤油、みりんなどさまざまな調味料や飲料に使われている麹の発祥の地は、やはりどことは一概には言えないのが本当のところなのでしょうね。

PAGETOP